「る、流依?」

 何をするつもりなのかと聞くと、流依はカーテンの押さえを外し、バサッと音を立ててわたしごとその体を包み込んだ。


 白いカーテンは夕日を透かせ、橙色の小さな空間が出来た。

 その空間で流依は微笑む。


「これなら、見られることはないだろう?」

 そう言って抱き寄せられ、わたしは諦める。


 ここまでされて拒む理由なんてないから……。



「小都子、お前は俺の花だ。他の男と仕事をしようが、いつどこで何をしていようが、お前は俺だけの花だ」

 そんな俺様な言葉を言うと、流依は私の唇を塞いだ。


 深くなっていく口付けの中で、わたしも思う。



 流依は、わたしの花だと……。


 “花”は普通女の人を表す言葉だから、本当は間違っている表現なんだろうけど……それでも、流依はわたしの花だと思った……。