すると流依はしばらく口を片手で覆って黙る。

 頬の赤みが落ち着いてきた頃に、その手が外され答えが返って来た。



「いいに、決まってるだろう?」


 その言葉と共に顔が近付く。

 キスされると思い、わたしは軽く流依の肩を押して拒んだ。


「だ、駄目だよ流依。ここ、学園内だよ!?」

 そう言うと、あと10cmというところで流依の顔が止まる。


「別に、誰もいないだろ?」

「で、でももし誰かに見られてたら……」


「……ったく」

 軽くため息をつき流依が離れた。


 怒っちゃった?


 と、不安に思ったのも束の間。

 流依はそのままわたしを窓の端の方に連れて行く。