静かな廊下を歩きながら、教室に置いておいたカバンを取りに戻る。 生徒はまだ文化祭の準備で残っているはずだけど、それぞれの部室の方で準備しているためか教室の方にはほとんど……いや、全くと言って良いほど人影がない。 遠くから、微かに声が聞こえてくる程度。 わたしは窓から差し込む橙色の光に彩られた廊下を一人寂しく歩んでいた。 教室に着くと、入り口のドアが開いているのに気付く。 少し疑問に思いつつも、そこから入ろうとして足を止める。 その光景に、つい見惚れた……。