先輩達の話では、当日色んな衣装を着て練り歩くだけで良いらしい。


 だからわたし達フラワーが事前にやることといったら、衣装合わせくらいしかないのである。



「でも、それでも何だかワクワクするな」

 どんな衣装なのかとか、写真撮られるときどんなポーズしようかとか。
 色々考えながら呟く。



 あのとき。

 あの夏休みの終わり頃、翔子先輩と絡んで撮影したあの日。


 撮られることの快感を知った。


 あのときからわたしは撮られることが楽しくて仕方がない。


 写真部の子に撮られるときも、さり気なくポーズを付けてみたりするようになった。


 しかもそうするとその撮った子も喜ぶから尚更楽しい。