「……こ」 「……」 「……い、……とこ!」 「……」 「小都子!!」 「ぅえっ!? はい!!?」 大きな声で呼ばれ、わたしはハッと正気に戻る。 今日はこれで何度目だろう。 撮影は既に終り、衣装も着替えてメイクも落とし、翔子先輩と鳴海さんにお礼を言われて現場を出たのはもう一時間以上前の話だ。 なのに、まだあの感覚が体から抜けない。 あの凛とした空気。 高揚する心。 快感にも似た最高の気分。