「小都子さん、いいねその顔。……そのまま翔に腕を絡めて……」


 鳴海さんの声が意識の外で聞こえる。

 わたしは無意識に近い状態で翔子先輩の腰に腕を絡めた。


「二人ともそのまま目線こっちに」



 世界が一変したかのような……。

 わたしだけ異空間に来たかのような……。



 そんな何ともいえない不思議な感覚。




 わたしは終了の声が聞こえるまで、その感覚に浸っていた……。