でも流依は本当に動いてくれそうにない。



 どうしよう……早く行かないと時間に間に合わなくなっちゃうよ……。


 余裕を見て出てきたものの、今ので結構時間をロスしている。


 しばらく迷ったものの、わたしは思い切ってキスすることにした。



 流依の胸に手を当て、それを支えに爪先立ちになる。

 そしてその勢いのまま彼の唇に自分のそれを重ねた。



 触れたと思うとすぐ離す。

 恥ずかしくて、流依の胸に顔を埋めるかのようにうつむいた。


 すると流依はわたしを抱きしめる。

 その力は強くて、ちょっと苦しかった。