そこまで思い出し、目をきつく閉じる。


 小都子がフラワーになって嬉しかった。

 皆も小都子を好きになったことに気付いて、負けるもんかって思った。



 思った、のに……。


 なのに、この恋の花は実らずに散ってしまった。


 悔しかった。

 認められなかった。


 まだ小都子を抱きしめたぬくもりを覚えているのに。

 まだその唇の感触を覚えているのに。



 ……諦めたくなかった……。