その日以降、僕は一年の生徒を見かけるたび彼女の姿を探した。 見つけても声を掛けるわけでもない。 でも、自然と目が彼女を追ってしまっていた。 それが恋だって気付くのに、そんなに時間はかからなかった。 好きなのにただ見ることしか出来ない。 どうやって話しかければいいのかも分からない。 だから、四月の終り。 彼女が『目くらまし』としてフラワーになるってなったとき、とても嬉しかった。