キーンコーンカーンコーン 予鈴が鳴り響いた。 驚き、僕は彼女から離れる。 予鈴が鳴ったことでやっと目が覚めたのか、彼女は身じろぎした。 僕は何だかいたたまれなくて、本棚の陰に隠れる。 「ん? え? うそ、もう予鈴なっちゃったの!?」 彼女はそう言うと、僕に全く気付かず図書室を出て行った。 本棚の陰に隠れていた僕は、高鳴る胸を押さえ混乱していた。 なんてことをしようとしたんだろう。 それ以前に、他人にここまで興味を持ったこと自体初めてだ。 「僕……本当に、どうしちゃったんだろう……」