よく見ると睫毛も長い。

 眉のバランスも良くて、鼻と唇の形も綺麗だ。


 ちゃんと手入れをすれば美少女になると思う。


 そんなことを考えていると、いつしか僕の視線は彼女の唇に繋ぎ止められた。



 触れたい……。

 その柔らかそうな唇に、触れたいと思った……。



 恐る恐る手を伸ばし、人差し指で下唇に触れる。


 思ったとおり柔らかい。


 彼女はそれでも起きる様子がないから、今度は親指で触れ、その赤い部分をなぞる。


「んっ……」


 その口から声が漏れ、僕は反射的に手を引っ込めた。