四月の初めの昼休み、いつものように生徒達の視線から逃れるために、ここで一休みしようと思って来たら先客がいた。


 机に突っ伏して、眠っているようだった。


 真新しい制服を見てすぐに新入生だと分かる。



 僕は特等席を取られてちょっと腹が立った。

 どいてもらおうと思って近付き肩を揺らす。


 でもその子は「うーん……」と唸っただけで起きる様子はない。


 仕方なく隣に座り寝ようと思ったけど、隣に人がいると落ち着かなくて眠れなかった。


 他にすることも無く、彼女の寝顔を見ることにする。



 じっと見ていたら、結構可愛い事に気付いた。

 洒落っ気のない髪型と眼鏡の所為で地味に見えているだけだと分かる。