「目印はあるんだ。先輩達の後を追わなくても戻れるよ」

 そして、わたしが何かを言う前にまた唇が重なり、舌が絡まる。



 熱い……。


 鬱そうと茂る木々に囲まれ真夏の陽光も遮断されているはずなのに、沸騰してしまうかのように熱かった。


 それはきっと、その熱さが温度ではなく体温だから。


 流依と触れている部分が熱い。

 合間にもれる吐息が熱い。

 時折絡み合う視線が熱い。



 わたしはもう何も考えられなくなって、流依にしがみついていた……。