「んじゃ、あの煙目指して進むか!」

 翔子先輩も頷いたことで確かな目印と確信したのか、優姫先輩はさっきまで不機嫌だったのが嘘のように明るく先頭をきった。


「あぁ!? 待ってください! ……まったく言った側から突っ走るんですから……」

 さっさと歩いて行ってしまった優姫先輩の後を寿先輩が愚痴をこぼしながらついていった。


 皆も仕方なく優姫先輩の後を追うように歩き出す。


 流石に目印があるのに迷うほど優姫先輩は馬鹿じゃないと思うから、多分ついていっても大丈夫だと思う。



 …………うん、多分……。



 わたしは自分に言い聞かせるように大丈夫だと思い、その後で少し不安に思った。


 そんなわたしに、流依の手が差し伸べられる。