おかげでわたしもそんなに慌てずにすんだ。

 でも現状が変わるわけじゃない。


 どうすればいいんだろう……?



 不安を抱えながら解決策を考えようとすると、和子先輩が「あれ」と呟いて空の方を指差した。


「あれ、目印にすれば……いいんじゃ……ないかな?」


 その言葉に皆が和子先輩の指差した方向を見る。

 その方向の空には、一筋の白い煙が立ち昇っていた。



「あれって……?」

 わたしの呟くような質問に、和子先輩は答える。


「多分、コテージから出てる煙……。お昼に、学園長……石窯使って料理するって……張り切ってたから……」

「あー、そういえばそんなこと言ってたねぇ」

 煙の方向を見ながら翔子先輩は和子先輩の言葉に頷く。