「ええ、だって……嬉しいもの」 「っ!?」 言うと、流依は顔を赤くしてわたしから視線を逸らす。 え? どうしたんだろう? 「流――」 「小都子」 流依の様子がおかしいから声を掛けようとしたら、その前に和子先輩から声を掛けられた。 「え? あ、はい?」 反射的に返事をして顔を和子先輩の方へ向けると、いつに無く真剣な瞳とぶつかる。 「今日の、小都子の午前中の時間……僕に、くれないかな?」 いつも通りのゆっくりした口調にも、どこか真っ直ぐなものを感じる。