その日の夕食時、結局和子先輩は姿を見せなかった。

 部屋にこもって出てこないみたい。


「私が食事持って行きますよ」

 寿先輩がそう申し出て、自分の分の皿もトレーに乗せていた。


 わたしはそれを見て、寿先輩もわたし達と一緒に食事はしないんだと気付く。



 普通そうに見えるけど、やっぱりまだ気にしてるのよね……?



 やっぱり罪悪感を覚えてしまう。

 眉を寄せて、少しうつむいた。


 そんなわたしの手を流依がさり気なく握ってくれる。

 流依に触れてもらえると、何故だか元気が出てくる。


 わたしはありがとうの意味を込めて、流依に微笑んだ。

 ……それでも罪悪感はまだあるから、満面の笑みとはいかなかったけれど……。