確かに呉羽先生のその微笑は、女の子のハートをわしづかみにしそうなものだ。

 でも、日々美形五人に囲まれていたせいで耐性ができたのか、わたしには効かなかった。



「そういえば……君、桂 小都子」

「は、はい!?」


 いきなり名指しされてびっくりする。

 呉羽先生はわたしの前に立ち、じっとわたしを見下ろした。



 な、何……?



「……お前は確かフラワーの一員だったな?」

「え? はい、そうですけど……」


 そう答えると、呉羽先生はフッと笑った。

 先ほどとは違った少し優しげな笑みに、わたしはドキリとする。