聖花学園~花よ咲き誇れ~2

 皆がその人物に視線を集中させる。

 その人物は――。





 和子先輩だった。


 いつもほのぼのとした雰囲気で、ゆっくりとした口調が特徴的な和子先輩。

 大きな声を出した所なんて見た事がない。



 その和子先輩が、声を荒げて叫んだ。


「嫌だ……聞きたくない!!」

 もう一度大きく声を上げると、和子先輩は逃げるように部屋から出て行く。


 皆とっさに追いかけようとした。

 わたしもソファーから立ち上がって、ドアのほうに向かおうとする。


 でも。


「私が行きます。きっと和、今は一人でいたいと思いますし……私も、少し考えたいですから……」

 寿先輩がドアノブに手を掛けながら、わたし達の方を見てそう言った。