「まあいい。今日は俺が本気だということを伝えたかっただけだからな。もう帰るさ」
そう息をついて言った呉羽先生は、呆けるわたしをそのままに、ドアの方へ歩いていった。
ドアの前で立ち止まり、「ああそうだ」と思い出したようにわたしに向き直る。
「今まで俺がお前にしてきたことを告げ口しても無駄だからな」
「……え?」
「なんせ、証拠はもうない」
「…………あ!?」
そうか、証拠となるあの画像はさっき消した。
理事長のお気に入りである呉羽先生を追い落とすには、決定的な証拠がなくては無理だ。
そんなことまで考えてたなんて……。
やっぱりこの先生侮れない……。



