「小都子!? 悪い、突然声かけたから……」

 そう言って近付いてきたのは流依だった。


「大丈夫か?」

「あ、うん。大丈夫っ――ぃたっ!?」


 差し出された手を取って立ち上がろうとしたとき、右足に痛みが走る。


 流依の手を借りて何とか立ち上がってから、右足を上げて痛みを感じた部分を見た。

 転んだとき石か何かで切ったのか、足首のあたりに大きな傷が出来ていた。


 血が、止めどなく流れている。


「やだ……」


 早く手当てしなくちゃ。


 そう思ったとき、突然視界が回る。

 気付いた時には、わたしは流依にお姫さま抱っこされていた。