「どうしてですか?」

 あまりの嫌そうな顔に、わたしは少し驚いて聞き返す。


「去年も山に来たんだけどな……」

 優姫先輩はそう話し始めた。

「姐御、散策と称して俺達を連れて山を歩き回ってたんだ」

「……はあ」


 散策と称してって、ソレを散策と言わず何と言うんだろう?


「……小都子。お前、今散策って聞いてただ散歩してるのを想像しただろ?」

「え? まあ、はい」


「甘ぁい!!」


 ビクッ!?


 突然声を張り上げた優姫先輩に、わたしは思わず一歩後退りした。