荷物を適当に部屋に置くと、すぐに学園長に呼ばれ皆でバーベキューの準備を始めた。


 野菜やお肉を切って串に刺したり。

 焼きおにぎり用に甘味噌や醤油を準備したり。


 皆でこうして準備していると、一つ一つが楽しい。


「由宇花さんも来られれば良かったのに……」

 玉ねぎを輪切りにしながら、わたしはポツリと呟く。


 この旅行の日程が決まったとき、学園長に了解を取って由宇花さんも誘うことにした。


 でも、由宇花さんは丁度今頃はいつも忙しいらしくて断られてしまった。



 こういう山の中では、あの姐御気質の由宇花さんはきっと生き生きとしただろうに……。



 そう思って想像すると、尚更寂しく思える。



「はあ!? 姐御がいたら俺等とんでもない目に遭ってるっての!」

 わたしの呟きを聞いていたのか、優姫先輩がうんざりした表情で言ってきた。