自身有り気な、ちょっと俺様入ってるような笑顔を向けられて、わたしは頬を染めて一瞬固まった。

「う、うん」

 わたしがそう答えると、皆話題を次の段階に移す。

 いつにするかとか、どこの山がいいかとか。


 そんな中、わたしはドキドキと高鳴る胸を落ち着かせるのに手一杯だった。



 恋愛はしたこと無かったけど、漫画や小説とかを見てどんな感情かは分かってるつもりだった。

 でも、それは本当に『つもり』だっただけみたい。


 こんな風に、笑顔を向けられただけで胸がキュンとなって、ちょっと苦しいのにとても嬉しい……こんな感覚知らなかった。

 些細なことにすら幸せを感じられる。

 こんな気持ち……。



 人を好きになるって、こういうことだったんだ……。