聖花学園～花よ咲き誇れ～２

　飽きてちょっかい出してこなくなれば、わたしも皆を危険にさらしてまで守ってもらわなくて済む。




　わたしがいつもと違うことに呉羽先生も気付いたようで、いぶかしげに眉を寄せていた。

　でも特には何も言わず、様子を見るように仕事の指示を出してくる。


「……そうだな。そこのベッド、さっきまで使っていたんだ。シーツを取り替えておいてくれ」

「はい」

　わたしは指示に従い、予備のシーツを入れている棚から新しいシーツを取り出し、取り替え始めた。



　シーツを取り替えている間、ずっと呉羽先生の視線を感じていた。

　合間にさりげなく視線だけで呉羽先生を見てみると、やっぱりこっちを見てじっと動かない。



　何を考えているのか分からなくて、また恐怖が頭をもたげる。

　でもわたしは必死でその恐怖を押さえつけていた。