「分かってると思うけど、君は絶っっっっっ対に部屋から出ないように! 朝はあいつ低血圧で何も出来ないから、夜さえしのげば大丈夫だ!」


 すぐ目の前で、聞こえないわけがないのに学園長は大声で言った。


「いいかい!? ノックされたらまず覗き穴見るんだよ? それで相手があいつだったら無視を決め込め!」


「は、はいはい! 分かりましたから!!」

 何度も念を押され、わたしは慌ててキッパリと声を上げる。



 このままだと延々と注意点を並べ立てられそうだ。


「そうかい? まあ、分かってるならいいんだけど」

 まだ言い足りないかのように、不服そうな顔をする学園長。


 わたしはそんな学園長に、ははは……と呆れた笑いを向けていた。