特に、何かがあったわけじゃない。 ただ……。 「そんな、たいした事じゃないの……。ただ……同学年の女子の陰口を聞いてしまっただけ……」 わたしも女だし、女が陰口を言うものだってのは分かってる。 陰口は、女にとってあって当然って言うほど当たり前のものだ……。 した数こそ少ないとはいえ、わたしだってした事はある……。 でも、やっぱり自分の事を言われるのは傷つく。 「何を聞いたんだ?」 流依は、誤魔化しを許さないといった雰囲気で続けて聞いてきた。