聖花学園~花よ咲き誇れ~

「え? 何だ? まだ言ってなかったのか、母さん」

「もうあなたってば! 私小都子を驚かせようと思ってギリギリまで黙ってたのに。……でももういいかしら。その婚約者は今日来るはずだもの」


「へ? はぁ!? 婚約者!? なにそれ!?」


 ちょっと、何が何だか訳が分からない。

 第一婚約者って誰の……ってわたししかいない、よね……?


「実はね、昔からよくしてもらってるお得意様にね、貴方と同じ年の息子さんがいるの」

 とお母さんは話し始めた。


「貴方達が七歳くらいの頃、子供の話で盛り上がっちゃって……『じゃあその子嫁に下さい』っていう言葉に『はい』って答えちゃったの」

「『答えちゃったの』じゃ無いわよぉ!?」


 冗談じゃない! 勝手にわたしの人生決めないで!!



 怒り心頭なわたしに、お母さんは慌てて「大丈夫!」と叫んだ。