こうやって回想してみると本当に色々あったなぁ……。


『本当に忘れてたのね……まあいいわ。とにかく、水曜日は学校終わったらすぐに一端家に帰ってきなさい。そこで着替えてすぐに出るから』


「うん、分かった」


 返事をすると、『じゃあね』とお母さんは電話を切った。



 わたしも携帯の電源ボタンを押し、二つ折りのそれをたたんだ。


「にしても誕生日かー本当、すっかり忘れてたわ」


 16歳――。

 法律上親が承認すれば結婚できる年だ。

 もちろん結婚なんてするつもりはないけど、何だか特別な感じがする。


「だからかな? お母さんがレストランの予約までしてるなんて」