でも、ごねるかと思いきや今回は案外素直に離してくれた。


「名残惜しいけど、仕方ないね」


 そこでホッとしたのもつかの間。


「今度はもっと触らせてくれよ」


 耳元で、低い男らしい声が言った。


「っっっ!!???」



 赤くなって驚いているわたしの頬にキスをし、翔子先輩は自分の教室のほうへ戻って行った。





 せ、セクハラだーーー!

 もっとって何!?

 どこを触らせろっていうのよーーー!?



 わたしは心の中で叫び続けながら、そのまま予鈴がなるまで固まっていたのだった。