「とりあえず座れ」

 内線電話でフラワーを呼び出すように指示を出している学園長を横目に、流依さんが命じた。
 命令されていることを少し不満に思いつつも、確かにずっと突っ立っているのもどうかと思ったから、指されたソファーに座る。

 流依さんは私の丁度向かいに座った。

 居心地が悪くてずっと下を見ていたら、視線を感じて顔を上げる。
 そしたら流依さんと目が合って、わたしは思わず目を逸らす。


 何!?

 もしかしてずっと見られてたの!?


 まだ視線を感じる。
 わたしはプチパニックに陥ってしまい、学園長室のドアが叩かれるまでカチコチに固まってしまっていた。