「……あの、流依さん?」

「ん? 何だ?」

「引っ張らなくてもついて行けますけど……」


「ああ、これはお前が逃げないために掴んでるんだ。ついてこれない事を心配してるんじゃないさ」

「はぁ!? わ、わたし逃げませんよ! あ、でももう少しで午後の授業始まっちゃうじゃないですか!? 放課後じゃ駄目なんですか?」

 叫びついでに、昼休みがあと10分しかない事に気付いて提案した。


 でも……。


「却下」

 即答されてしまう。