Last Wing




そこで美音は、息をつく。



床には今までずっと書いていたトークノートの残骸たちが散らばっている。


「美音」

《瀬那がね、美音のもとに来る度に花を買ってくるとしたらどの花がいい?って聞くの》


腕の中で美音がゆらゆら、と揺れる。右に傾き、左に傾き…。

俺は、美音の揺りかごになったような気分だった。



《…だから、あたし言ったの。…お姉ちゃんのバラに負けないぐらいの花を買ってって…。》


美音の目は、飾ってあるあの華美な花へと移される。