「え?彼じゃなかったの?」

「……恋することが、怖くなったの。全部准のせい」


何も知らない翼くんは、そのあたしの言葉に驚いている。

ムリないよ、花音にすら話してない。

あたしと准の関係。

そして恋が怖くなったこと。

少し遠い高校に通う理由……。


いつかは、話さなきゃ。


「翼くん……」

「俺、少し抜けてようか?何があったかわからないけど、二人で話し合った方がいいからね」


そう言って、公園から出て行ってしまった。


「花垣葵……」

「――許せないから、あの日からずっと」