だけど、 本当は忘れる事なんて、できるハズがなくて。 普通を演じる自分と、忘れられない自分の差に、壊れそうだった。 でも今……、初めてちゃんと泣いた。 何も言わずに聞いてくれる亮が嬉しくて、あたしは、三年分を取り戻すように泣き続けた。 何度も何度も、家族の顔が浮かんだ。