Darkness † Marker 5 【彷徨う者】

        ☆


駅を出て左手に曲がったところを少し行くと、小さな公園がある。

2人は裕一郎を木陰の手近なベンチに横たわらせた。

「彼にスポーツドリンクを買ってきてあげて。できればあまり冷えてない方がいいかもしれない」

青年は小銭を渡す。

啓太は彼の言葉に頷くと、

「すみません、すぐ戻ってきます。その間コイツのこと、見ていてやって下さい」

言って、コンビニに走った。

男は近くの水道でハンカチを濡らすと、寝ている彼の額にそれを乗せ、ネクタイを緩めてやる。

裕一郎は青白い顔色で、ぐったりと目を閉じたままだ。


(暗い闇が纏わりついている…倒れて当然だ…)


傍にいるだけでも、この異質なものに顔を顰めたくなる。

こんなものに慣れたくはない。

いや、慣れてはいけないのに。

なぜ彼は自分の中に取り込み、頑なに我慢しようとするのか。

暗い、底のない闇は彼を苦しめるだけだというのに。


「うっ…」


不意に裕一郎が小さく声を漏らした。

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