「如月!?」
後ろを歩いていた啓太が、倒れ掛かってくる彼の体を慌てて支えた。
「おい、大丈夫か」
酷い顔色だ。
その声に反応するように、ギュッと裕一郎が腕に縋ってきた。
啓太には、彼が何となくこうなった原因が分かる気がする。
普通の人間だって、喧騒の中に身を置けば嫌な気分になってくるものだ。
「ごめん…啓、太…」
「いいよ、しゃべらなくて」
裕一郎の体質を知っている彼は、早くここから連れ出してやりたくて腕を肩に回すと、
「ちょっと我慢して歩いてくれよ」
声をかけて出口に向かう。
…と、その時、
「手を貸すよ」
通りすがりの見知らぬ青年が、反対側の肩を貸してくれた。
「あ、ありがとうございます。助かります」
意識が朦朧としている裕一郎を連れて、3人は地上へと出た。
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