「後で電話掛けて聞いてみるよ。それまでは身につけてて」
申し訳なさそうに手の平に載せられると、さすがに《嫌》とは言えない。
けれど、これをしていると困る事があり過ぎた。
「あの…御守りとして作って貰ったのは嬉しいんですけど、オレはこれがあると仕事にならなくて困るんです…制約が掛かっているのか、力が全く使えなくて。このままじゃ、タダ飯食いの居候になってしまう。この力はオレを苦しめる時もあるけど、これのおかげで救われてる部分もあるんです。津久見さんは自分の力に対して、嫌悪感を抱くばかりですか?」
少年に問われ、
「…いや、一概にそうとは…言えないかな」
尚人は少し迷いながらも答える。
「オレ、あの人の役に立ちたいんですよ。あの人から与えてもらうばかりで何も返せないからこそ、この力で少しでも手助けをしたいと思うんです。それが間違ってるとしても…今のオレには他に手段がないですから。だから、これは気持ちだけ受け取っておきます」
そう言って、裕一郎は指輪を尚人の手に返す。
「君は………」
尚人は何かを言いかけて、首を横に振った。
「ううん、分かった。これは僕が預かっておくよ。勝手な事をして、悪かったね」
「いえ。津久見さんに言われたように、これからは極力霊の言葉に耳を傾けるよう努力してみます。自分が逆の立場だったら、悲しいですからね。やっぱり」
裕一郎は小さく笑うと、クルリと背中を向ける。
「時間勿体ないから、指輪探し始めましょうか!!」
「そうだね」
そんな少年の後ろ姿に、尚人は瞳を細めると頷いた。
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