Darkness † Marker 5 【彷徨う者】


細くて綺麗な指が、裕一郎の指輪に触れる。


スッ…


いとも簡単に外れた。

「えぇっ、外れた!?」

「うん、外れたね」

「どうなってるんだろ…」

「さぁ…」

2人は無言で考え込む。

尚人は手の平に載せたそれを、じっと見つめていたが、


「裕一郎くん、これ自分で嵌めてみて」


言って彼に渡した。

「あ、はい」

受け取ると、裕一郎は再び嵌めてみる。

それから外そうと引っ張った。


「…あれ、取れない…」


ぐりぐりと回してみるが、しっかりと嵌まっている。

「津久見さん」

言われて尚人は裕一郎の手を取ると、指輪に手を掛けた。

スッ…やはり、普通に外れる。

「の…呪い…何だか意図的に意地悪されてるような気がするのは、気のせいですか?」

「そんな事はしないと思うけど」


(…けど、少しは心当たりあるって事かな)


引っかかる言葉のニュアンスに、どうしようもなく作り手の悪意を感じてしまう裕一郎だった。

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