☆
土曜日の駅のホームは、中途半端な時間もあるがいつもより閑散としていた。
目に着くのは親子連れの姿が多く、社会人はパラパラと見える程度だ。
これではネバったとしても、裕一郎の目的の人物《指輪の主》は現れそうにない。
やはり平日の方が可能性はあるという事で、今日は諦めるしかなさそうだ。
「ここら辺でいいだろう。裕、式を放してみろ」
ホームの中央付近に来た時、河村が辺りを見回しながら指示する。
「…あ、うん」
河村に言われるまま、裕一郎は式蝶を駅のホームで放した。
ひらり、ひらり…
ひらり…
銀色の羽がゆっくりと、人の間をすり抜けて2人の元を離れていく。
「久司」
「追ってみよう」
裕一郎は頷くと、自分たちにしか見えない蝶の後をついて行った。
ひらり、ひらり
ひらり…
さほど移動することなく、ある場所で旋回を始める。
(やっぱりここ…?)
それはあの時、テレビに映っていた事故現場。
式蝶がレンズに映り込んでいた場所。
蝶は線路上に舞い降りた。
「久司、ここで何か感じる?」
事故現場と知らなければ、何も感じない…それくらい霊の気配はない。
「いや、不自然なくらい何も感じないな」
河村も首を傾げる。
昨日裕一郎を襲った霊の後を式に追わせた結果、蜘蛛もこの駅を示してきた。
蝶も同様にこの駅だと言っているようだが、足を運んでみれば気配すらないのだ。
転落防止柵から下を覗くと、昨日の今日という事もあって、まだ血の後が残っている。
「……」
(分からんな…どうなってる?)
下りて調べたい所だが、場所が場所だけにそうもいかない。
と、裕一郎は手を伸ばし、蝶を自分の元に呼び戻した。
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土曜日の駅のホームは、中途半端な時間もあるがいつもより閑散としていた。
目に着くのは親子連れの姿が多く、社会人はパラパラと見える程度だ。
これではネバったとしても、裕一郎の目的の人物《指輪の主》は現れそうにない。
やはり平日の方が可能性はあるという事で、今日は諦めるしかなさそうだ。
「ここら辺でいいだろう。裕、式を放してみろ」
ホームの中央付近に来た時、河村が辺りを見回しながら指示する。
「…あ、うん」
河村に言われるまま、裕一郎は式蝶を駅のホームで放した。
ひらり、ひらり…
ひらり…
銀色の羽がゆっくりと、人の間をすり抜けて2人の元を離れていく。
「久司」
「追ってみよう」
裕一郎は頷くと、自分たちにしか見えない蝶の後をついて行った。
ひらり、ひらり
ひらり…
さほど移動することなく、ある場所で旋回を始める。
(やっぱりここ…?)
それはあの時、テレビに映っていた事故現場。
式蝶がレンズに映り込んでいた場所。
蝶は線路上に舞い降りた。
「久司、ここで何か感じる?」
事故現場と知らなければ、何も感じない…それくらい霊の気配はない。
「いや、不自然なくらい何も感じないな」
河村も首を傾げる。
昨日裕一郎を襲った霊の後を式に追わせた結果、蜘蛛もこの駅を示してきた。
蝶も同様にこの駅だと言っているようだが、足を運んでみれば気配すらないのだ。
転落防止柵から下を覗くと、昨日の今日という事もあって、まだ血の後が残っている。
「……」
(分からんな…どうなってる?)
下りて調べたい所だが、場所が場所だけにそうもいかない。
と、裕一郎は手を伸ばし、蝶を自分の元に呼び戻した。
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