Darkness † Marker 5 【彷徨う者】


式鬼は主に言われた通りカーペットを抱えると、かき消えるように事務所を出て行った。

それを見届けてから、彼は携帯を取り出す。


「双瀬、河村だ」


『何だ、昨日の今日だってのにもうおれが恋しくなって電話か?』

電話の向こうで笑う声。

「あぁ。そこで昨日の詫びに渡したいものがあるから、式をそっちに向かわせた」

『…はぁ?』

「多分もうそろそろ着く頃だと思うんだが…」


その瞬間、電話の向こうで凄い叫び声が聞こえてきた。


『ぎゃーっ、河村っ!!お、鬼が何か持って来たぞっっ』

「それ、霊の思念が憑いてるから、供養宜しく」

『ふ、ふざけるなあぁぁぁぁぁっっ!!』


ブチッ。


河村は容赦なく電話を切ると、


「さてと。ちょっと気分もスッキリしたし、そろそろ裕を起こして出かけるか」


鼻歌まじりに立ちあがった。

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