式鬼は主に言われた通りカーペットを抱えると、かき消えるように事務所を出て行った。
それを見届けてから、彼は携帯を取り出す。
「双瀬、河村だ」
『何だ、昨日の今日だってのにもうおれが恋しくなって電話か?』
電話の向こうで笑う声。
「あぁ。そこで昨日の詫びに渡したいものがあるから、式をそっちに向かわせた」
『…はぁ?』
「多分もうそろそろ着く頃だと思うんだが…」
その瞬間、電話の向こうで凄い叫び声が聞こえてきた。
『ぎゃーっ、河村っ!!お、鬼が何か持って来たぞっっ』
「それ、霊の思念が憑いてるから、供養宜しく」
『ふ、ふざけるなあぁぁぁぁぁっっ!!』
ブチッ。
河村は容赦なく電話を切ると、
「さてと。ちょっと気分もスッキリしたし、そろそろ裕を起こして出かけるか」
鼻歌まじりに立ちあがった。
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