Darkness † Marker 5 【彷徨う者】


「そうだなぁ…あの話を聞いて1つだけ言える事は、お前《左手》使わなくて良かったなって事だ」

「?」

「その指輪。ただ単にお前を《守る》だけじゃなくて、ひょっとすると自身にも何か制限がかかってるかもしれないぞ」


「えっ!?」


河村に例の指輪を指さされ、裕一郎はキョトンとする。

「制限って、何?」

「それは分からないが、《変》な感じがするのは確かだ。こういう時の俺の勘は外れた事がないから、忠告は聞いといた方が身のためだぞ」

確かに指から外れないこと自体が既に怪しいのだから、ここは素直に河村の言葉を信じるべきだろう。

「あ、うん。分かった」

裕一郎は素直に頷いた。

「しばらく自粛しといた方がいいかもな。贈り主の居場所を突き止めるまでは」

「もしかして、霊とオレが反発しあったのも…これの力?」

「多分。でなければ、あんな事普通あり得ないだろ」

「大変だ、これじゃ仕事できないよ。明日は何がなんでも駅に行って、気になる原因だけでも突き止めないと」

「そうだな」

河村は頷くと、立ち上がる。

「じゃ、一眠りしたら出掛けるからな」

「うん…早く寝ないとね。おやすみ」

裕一郎がごろりソファーに体を横たえるのを見てから、河村も自分の部屋に戻っていった。


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