「そうだなぁ…あの話を聞いて1つだけ言える事は、お前《左手》使わなくて良かったなって事だ」
「?」
「その指輪。ただ単にお前を《守る》だけじゃなくて、ひょっとすると自身にも何か制限がかかってるかもしれないぞ」
「えっ!?」
河村に例の指輪を指さされ、裕一郎はキョトンとする。
「制限って、何?」
「それは分からないが、《変》な感じがするのは確かだ。こういう時の俺の勘は外れた事がないから、忠告は聞いといた方が身のためだぞ」
確かに指から外れないこと自体が既に怪しいのだから、ここは素直に河村の言葉を信じるべきだろう。
「あ、うん。分かった」
裕一郎は素直に頷いた。
「しばらく自粛しといた方がいいかもな。贈り主の居場所を突き止めるまでは」
「もしかして、霊とオレが反発しあったのも…これの力?」
「多分。でなければ、あんな事普通あり得ないだろ」
「大変だ、これじゃ仕事できないよ。明日は何がなんでも駅に行って、気になる原因だけでも突き止めないと」
「そうだな」
河村は頷くと、立ち上がる。
「じゃ、一眠りしたら出掛けるからな」
「うん…早く寝ないとね。おやすみ」
裕一郎がごろりソファーに体を横たえるのを見てから、河村も自分の部屋に戻っていった。
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