それは裕一郎のいる方に向かって進んでくる。 段々と音が近づいてくる。 ざりっざりっ…。 「!!」 夢で見た手と同じものが、ひゅるりと足首に伸びてくる。 冷たい空気が体に纏わりつく。 裕一郎は動けなかった。 助けを呼びたくても、声が出ない。 立ったまま金縛りにあっているようだった。 どこ… 私の…は… さが…て… さが…て… 「!!」 ぐっ…黒い手が裕一郎の足首を掴んだ。 .