Darkness † Marker 5 【彷徨う者】


「如月、おはよう」

振り向くと、クラスメートの吉山啓太が立っていた。

「あ、おはよう啓太」

「何、今日は早い登校じゃないか?」

いつもだったら登校時間ギリギリの地下鉄のはずの裕一郎を見て、啓太はどうしたんだという顔をする。

「いつもより早く目が覚めたから、出てきた」

「ふぅん、それでこの事故?如月が滅多にないことするからだよ」

「そんなこと言うか?」

拗ねたような目で親友を睨むと、啓太はごめんごめんと謝った。

「この分だと地下鉄は諦めるしかないな。タクシーで行くなら、一緒に行こうよ。その方が料金安くて済むし…」

親友の提案に、裕一郎は携帯を見せる。

「それならまず、こっちで確認とってから。久司に車を出してもらおうと思って、今電話する所だったんだ。啓太も乗ってけよ」

「本当か!?それは助かる、悪いな」

「でも久司からOKがでたら、だけど」

笑うと、中央にある階段を再び目指す。

すれ違う人と肩がぶつかり歩きにくい…そう思っていると、地上から違う路線を使う会社員や通学に向かう人の波が、どっとホームへと降りてきた。

「うわっ」

「段々と混み方が酷くなってきたな」

2人は目の前の群衆にうんざりする。

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