その反応に満足した双瀬は、まだクスクスと笑いを残したまま、
「それにしても随分変わった人間と接触したらしいな、裕一郎は」
再び指輪を見る。
「何…どういう意味だ、それは?」
厳しい表情のまま、河村が聞き返した。
「これ普通のアクセサリーなんかじゃないぜ。特殊な力が指輪本体に練り込まれてるって感じだな…だから、抜けないだろ」
裕一郎の指から外す仕草をしながら、楽しそうに聞き返す。
「お前、これが何か分かるのか?」
「まぁね。これでもおれ、寺の坊主だし」
チラリと河村に視線をやると、小さく口端を上げた。
「双瀬さん、これって何?」
「御守りだよ」
「えっ…御守り、この指輪が?」
裕一郎はパチクリとした目で、中指を見つめる。
「そ。邪気邪霊から身を守るためのものだな」
「何でそんなものが裕の指に…」
左手と言えば、能力を持つ方の手だ。
その力を知っている者はごく限られた人間しかいない。
しかも常に無理をしている事を知らなければ、こんなものを用意したりはしないだろう。
(まさかな…)
河村の脳裏にチラリと思い浮かんだ人物はいたが、あり得ないと否定する。
.


