学校一の爽やか王子は、私にだけ【一途な独占欲】を隠さない。〜お揃いの指輪とヒミツの放課後〜

「……何それ。本気で言ってるの?」

ひなたくんの声が、今まで聞いたことがないくらい低く、切なく震えていた。
驚いて顔を上げると、ひなたくんは私の両肩を、壊れやすいものを掴むみたいに優しく、だけど絶対に離さない強さで、ぎゅっと掴んできた。

「ひ、ひなたくん……っ?」

「秋元先輩とは本当に生徒会の仕事だけ。誰と並んでたって、俺が見てるのはりあだけなのに。……なんでそんな、突き放すようなこと言うの?」

ひなたくんの綺麗な瞳が、夕暮れの光の中で、今にも泣きそうに揺れている。
言葉で言わなくても、私の肩を掴む手の震えや、余裕のなさそうな表情から、彼の『好き』という一途な想いが、痛いくらいに伝わってきた。

ひなたくんは、私の両肩を掴んだまま、自分の額を、私の額にこつん、と優しく重ねてきた。
至近距離で交わる、お互いの熱い息遣い。彼のシトラスの香りが脳内を支配して、私の思考は完全にストップしてしまう。

「他の女子にいくら話しかけられても、俺の心の中にはりあしかいない。お願いだから……俺を幼馴染の特別から外さないで。りあにに拒絶れたら、俺、本当にどうにかなりそうなんだよ……」

消え入りそうな声で、だけど真っ直ぐにぶつけられる、ひなたくんの余裕のない態度。
すれ違いかけていた私の心は、彼のあたたかい体温と一途な必死さに、一瞬で溶かされていく。
お互いを想いすぎるがゆえに、少しだけ切なくて、でも誰よりも甘い夕暮れの公園で、私たちはまた一歩、2人だけのトクベツな距離へと溺れていくのだった。