「大丈夫? 星野さん。ほら、これ消しゴムね」
すぐ隣から、あのあたたかくて甘い声が聞こえた。
見上げると、ひなたくんがスマートに椅子から降りて、私と同じように床にしゃがみ込んでくれていた。
「あ、朝陽くん……っ。ごめんね、ありがとう……」
ひなたくんは長い指で、遠くに転がっていったシャーペンを優しく拾い上げると、それを私に手渡してくれた。
そのとき、ほんの一瞬だけ、お互いの指先がチリッと触れ合う。
それだけで体に電気が走ったみたいにドキドキして、私は心臓が壊れるかと思った。
「はい、これで全部かな。……ん?」
文房具を私に手渡し終えたひなたくんが、ふと、床の一点を見つめたまま動きを止めた。
彼の視線の先を見た瞬間、私の全身の血の気が、一気にスッと引いていくのがわかった。
「……あ」
私の制服の胸ポケットから、筆箱を落とした衝撃で、あの『ピンクのプラスチックの指輪』が床に転がり落ちていたのだ。
10年前のお祭りの夜、ひなたくんと半分こした、あの思い出の指輪。
(ヤバい、見られた……!? こんな子供っぽいおもちゃを高校生にもなって持ち歩いてるなんて引かれちゃう……!)
パニックになった私は、ひなたくんが手を伸ばすよりも早く、ひったくるようにしておもちゃの指輪を掴むと、ぎゅっと両手の中に隠した。
「な、なんでもないの! これ、ただの、安物のお守りだから……!」
恥ずかしさと焦りで、言い訳するように早口でまくしたてる。
ひなたくんの顔を見るのが怖くて、私は拾った文房具を抱えたまま、逃げるようにして自分の席へと戻った。
すぐ隣から、あのあたたかくて甘い声が聞こえた。
見上げると、ひなたくんがスマートに椅子から降りて、私と同じように床にしゃがみ込んでくれていた。
「あ、朝陽くん……っ。ごめんね、ありがとう……」
ひなたくんは長い指で、遠くに転がっていったシャーペンを優しく拾い上げると、それを私に手渡してくれた。
そのとき、ほんの一瞬だけ、お互いの指先がチリッと触れ合う。
それだけで体に電気が走ったみたいにドキドキして、私は心臓が壊れるかと思った。
「はい、これで全部かな。……ん?」
文房具を私に手渡し終えたひなたくんが、ふと、床の一点を見つめたまま動きを止めた。
彼の視線の先を見た瞬間、私の全身の血の気が、一気にスッと引いていくのがわかった。
「……あ」
私の制服の胸ポケットから、筆箱を落とした衝撃で、あの『ピンクのプラスチックの指輪』が床に転がり落ちていたのだ。
10年前のお祭りの夜、ひなたくんと半分こした、あの思い出の指輪。
(ヤバい、見られた……!? こんな子供っぽいおもちゃを高校生にもなって持ち歩いてるなんて引かれちゃう……!)
パニックになった私は、ひなたくんが手を伸ばすよりも早く、ひったくるようにしておもちゃの指輪を掴むと、ぎゅっと両手の中に隠した。
「な、なんでもないの! これ、ただの、安物のお守りだから……!」
恥ずかしさと焦りで、言い訳するように早口でまくしたてる。
ひなたくんの顔を見るのが怖くて、私は拾った文房具を抱えたまま、逃げるようにして自分の席へと戻った。


