トクン、トクン、と耳の奥で自分の心臓の音がうるさいくらいに鳴り響いている。
私は自分の席に座り、お気に入りのリボンを少しだけ直しながら、机の上に視線を落とした。
隣の席から漂ってくる、爽やかなシトラスの香り。
それだけで、さっき桜並木で一瞬だけ目が合った気がしたときのドキドキが蘇ってきて、顔が熱くなりそうになる。
「朝陽くん、4組だって!」
「うそ、どこどこ!?」
廊下のほうから、また女子たちの浮き足立った声が聞こえてきた。
ガラガラ、と教室の前方のドアが開く。その瞬間、それまでガヤガヤしていた教室の空気が、一瞬でピーンと跳ね上がるようにして静まり返った。
――入ってきた。
朝陽日向くん。
さっき桜並木で見たときよりも、近くで見るとさらに背が高くて、スタイルが良くて、本当に芸能人か何かが紛れ込んできたんじゃないかって思ってしまうくらいのオーラがある。
ひなたくんは、教室の女子たちの熱い視線を一身に浴びながらも、嫌な顔ひとつせずにいつもの爽やかな笑顔を浮かべていた。
そして、黒板の座席表をチラッと見ると、まっすぐに教室の一番後ろ――つまり、私のいる窓際に向かって歩いてくる。
(きた、どうしよう……! 話しかけるべき……? でも、私のことなんて忘れてるよね……!?)
緊張がマックスに達して、私は思わず教科書をぎゅっと胸の前に抱え込み、うつむいてしまった。
私は自分の席に座り、お気に入りのリボンを少しだけ直しながら、机の上に視線を落とした。
隣の席から漂ってくる、爽やかなシトラスの香り。
それだけで、さっき桜並木で一瞬だけ目が合った気がしたときのドキドキが蘇ってきて、顔が熱くなりそうになる。
「朝陽くん、4組だって!」
「うそ、どこどこ!?」
廊下のほうから、また女子たちの浮き足立った声が聞こえてきた。
ガラガラ、と教室の前方のドアが開く。その瞬間、それまでガヤガヤしていた教室の空気が、一瞬でピーンと跳ね上がるようにして静まり返った。
――入ってきた。
朝陽日向くん。
さっき桜並木で見たときよりも、近くで見るとさらに背が高くて、スタイルが良くて、本当に芸能人か何かが紛れ込んできたんじゃないかって思ってしまうくらいのオーラがある。
ひなたくんは、教室の女子たちの熱い視線を一身に浴びながらも、嫌な顔ひとつせずにいつもの爽やかな笑顔を浮かべていた。
そして、黒板の座席表をチラッと見ると、まっすぐに教室の一番後ろ――つまり、私のいる窓際に向かって歩いてくる。
(きた、どうしよう……! 話しかけるべき……? でも、私のことなんて忘れてるよね……!?)
緊張がマックスに達して、私は思わず教科書をぎゅっと胸の前に抱え込み、うつむいてしまった。


