学校一の爽やか王子は、私にだけ【一途な独占欲】を隠さない。〜お揃いの指輪とヒミツの放課後〜

「ヤバい、4組に朝陽くんがいる! 私、同じクラスになれたんだけど!」
「えーっ! ずるい! 私3組だし! 毎日4組に遊びに行こっと!」

掲示板の前で、4組の名簿を見た女の子たちが、飛び上がって大騒ぎしている。
やっぱり、ひなたくんはもう、私だけの幼馴染じゃないんだ。学校中の女の子たちの『王子様』なんだ。

同じクラスになれた喜びよりも、緊張と不安のほうがどんどん大きくなっていく。
私はぎゅっとスクールバッグの紐を握りしめると、逃げるようにして4組の教室へと向かった。

ガラガラ、と緊張しながら教室のドアを開けると、すでに中には半分以上の生徒が席についていた。
黒板に張り出されている座席表を確認して、私は自分の席を探す。私の席は、いちばん後ろの、窓際の席だった。

(あ、あそこだ……。いちばん後ろの席なら、目立たなくて安心かも……)

ちょっとホッとしながら自分の机に近づいて、ふと、そのすぐ隣の机に置かれている通学リュックが目に留まった。

オシャレな黒いリュックのサイドポケットに、何気なく差し込まれているハンカチ。
そのハンカチから、ふわりと、さっき桜並木ですれ違ったときと同じ、爽やかなシトラスの香りが漂ってきた。

「嘘……でしょ……?」

恐る恐る、その机の上に置かれている出席番号の札に目を落とす。
そこには、綺麗な字で【朝陽】と書かれていて――。
なんと、同じクラスなだけじゃなくて、ひなたくんは私の『右隣の席』だったんだ。