あの停電の雨の日から、私と蓮先輩の空気は明らかに変わってしまった。
学校中のみんなの前では、先輩は相変わらず『優しくて温かい生徒会長』のままだ。けれど、私の前でだけ見せる独占欲が、日に日に隠しきれなくなってきている。
例えば、お昼休みに廊下で佐藤くんと一言、二言話しただけの日の放課後。
生徒会室のドアを閉めた瞬間、蓮先輩はデスクから動かず、刺すような視線で私を睨んだ。
「……白石さん。あいつと話してるとき、随分楽しそうだね」
「えっ? あ、佐藤くんとはただ、明日の日直の相談を……」
「ふーん。日直の相談に、あんな距離詰める必要あるんだ」
先輩は手元にあったペンを机にカランと放り出すと、ゆっくりと立ち上がって私に近づいてきた。
いつもなら意地悪く笑うはずなのに、今日の蓮先輩の目は、どこか焦っているみたいに熱くて、少しだけ切なそうに見えた。
気づけば私は、長机と先輩の長い腕の間に、すっぽりと閉じ込められていた。
学校中のみんなの前では、先輩は相変わらず『優しくて温かい生徒会長』のままだ。けれど、私の前でだけ見せる独占欲が、日に日に隠しきれなくなってきている。
例えば、お昼休みに廊下で佐藤くんと一言、二言話しただけの日の放課後。
生徒会室のドアを閉めた瞬間、蓮先輩はデスクから動かず、刺すような視線で私を睨んだ。
「……白石さん。あいつと話してるとき、随分楽しそうだね」
「えっ? あ、佐藤くんとはただ、明日の日直の相談を……」
「ふーん。日直の相談に、あんな距離詰める必要あるんだ」
先輩は手元にあったペンを机にカランと放り出すと、ゆっくりと立ち上がって私に近づいてきた。
いつもなら意地悪く笑うはずなのに、今日の蓮先輩の目は、どこか焦っているみたいに熱くて、少しだけ切なそうに見えた。
気づけば私は、長机と先輩の長い腕の間に、すっぽりと閉じ込められていた。

